見込み残業違反1343件 制度悪用 不払い横行
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013123002000088.html
見込みの残業代をあらかじめ給与に盛り込む「固定残業代」を悪用したサービス残業(残業代未払い)の違反が昨年、東京や愛知など十都道府県で計千三百四十三件あったことが、本紙の調査で分かった。いくら働いても見込み分の残業代しか支払わなかったり、見込み額をあいまいにして残業代をごまかしたりしていた。 (過労社会取材班)
固定残業代の悪用は低賃金・長時間労働の温床となり、専門家は働く人を使い捨てにする「ブラック企業」の手口と指摘、近年トラブルが相次いでいる。厚生労働省は問題を把握しているが、統計はなく、実態は明らかになっていなかった。
調査は企業の本支店や工場など全国の事業所数の五割以上を占める東京、大阪、愛知、北海道、埼玉、千葉、神奈川、静岡、兵庫、福岡の十都道府県を対象にした。昨年一年間に残業代の不払いを禁止した労働基準法三七条に違反した事業所のうち、固定残業代に絡んだ労働基準監督署の是正勧告書と指導票を情報公開請求した。
開示文書を集計すると、固定残業代に絡む違反が最も多かったのは東京で二百五十件、次いで愛知が二百二十一件、大阪が百九十三件だった。各都道府県とも、残業代の未払い総数に占める割合は一割ほど。愛知は二割弱と最も高かった。
サービス残業と併せて長時間労働も指導された事業所は計四百十八件に上った。固定残業代に絡む違反全体の三割強にあたり、長時間労働を助長しかねない制度の問題点を裏付けた格好だ。
残業を見込んだ仕組みにもかかわらず、残業をさせるために必要な労使協定書を労基署に届け出ていない事業所も三割強に上った。
違反の多くは労基署の調査で、パソコンの利用記録などから実際の労働時間が判明して裏付けられた。
固定残業代について厚労省労働基準局監督課の担当者は「サービス残業が発生しやすいシステムとは認識している」と説明。「問題があれば労基署の指導監督で個別に対応するもので、現時点で規制や実態調査の予定はない」と話している。
<固定残業代> 見込みの残業代をあらかじめ給与に盛り込んで支払う方法。定額残業代ともいう。残業代の支給事務を軽くしたり、残業代を抑えたりできるとして普及したとされる。事業者は見込みの残業時間を超えて働かせた場合、超過分を払わなければならないが、「既に支払っている」と超過分をごまかす不当な運用が後を絶たない。求人広告で固定残業代を明記せず、給料を実際よりも多く見せるケースもある。
引用終わり
ここにもあるとおり、私が相談にのった未払割増賃金請求事件のほとんどは、この「固定残業代」制度を使っていました。
しかし、一番勘違いしてはいけないのが、固定残業代を支払っているからと言って、いくら残業をさせても残業代をすべて支払っている事にはなりません。固定残業代は「何時間分の残業代なのかを、きちんと区分して明記」しなければなりません
例えば、毎月7万円の固定残業を支払っているが、就業規則や雇用契約書、給与明細書に「45時間分の残業代」といったように明示しなけえばなりません。
また、45時間分の残業代を支払っていても、労働者が46時間残業していた場合は、差額の1時間を支払わないといけません。
◆どのような対策をしたらよいか
このような会社に不幸にも勤めてしまった場合には、労働基準監督署に相談に是正勧告を出してもらうよう動いた方が良いでしょう。
また、今のうちにタイムカードやパソコンのログ、又は、毎日の出退勤の時間メモを残しておきましょう。会社に雇用中に残業代請求をするのは難しい場合は、証拠を残しておき、退社したら速攻で請求した方がよろしいでしょう。
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