遺言の取消し方法

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高齢者社会や相続税法の改正などにより、遺言作成の件数が増えているようです。


遺言公正証書10万件 昨年、高齢化や相続課税拡大

http://apital.asahi.com/article/news/2015100100026.html


遺言は多く分けて、自筆証書遺言と公正証書遺言とがあるのですが、ニュースでは公正証書遺言だけで10万件を越えたようです。(公正証書と遺言証書


それだけ相続・遺言が関心事となっているという事ですね。


遺言の取消し方

 先日、相談員をやっていたときに、心に残った相談がありました。それは、「遺言の取消しをどのように行ったらいいか分からない」というものです。


 専門家にとっては簡単なことですが、そうですよね、一般市民にとってはよく分からないところだと思います。


 遺言の取消す(法律上は遺言の撤回)には、新しく遺言を作るしかありません。遺言は、法律上、要式行為といって、ある一定の手順を踏まなければ認められません。したがって、それを取り消すにも、同じく一定の手順を踏まなければならないということです。


 家族や推定相続人に「あ、あの遺言書は無しだからね」と口で言っても、通りません。


 新しい遺言書を作成して、「従前の遺言書は撤回する」等と明記する必要があります。


破いちゃえばいいんじゃない?

 「遺言書を破いちゃえばいいのでは?」と思うかもしれません。半分は正解です。


 先ほど、遺言には「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」とがあると説明しました。「自筆証書遺言」の場合は、1通しか作成されませんので、作成した遺言を破棄してしまえば、撤回として認められます。


 しかし、公正証書遺言の場合は、原本が公証役場に保管され、謄本が遺言者の手元に渡されます。したがって、手元の遺言書を破棄しても、公証役場には遺言書が保管されていますので、完全に破棄することができない、というわけです。


公正証書遺言を破棄するには、公正証書遺言を作成しないといけない?

 「公正証書遺言」を破棄するために、作成する遺言書は、「公正証書遺言」である必要はありません。自筆証書遺言を作成して、従前の遺言を撤回しても、効力は認められます。

 

 ただし、自筆証書遺言は、作成した後、遺族に発見されない事がしばしばあります。きちんと家族に、遺言書を残した場所を教えておくと良いでしょう。

 

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